2010.02.06 Saturday
さよか
JUGEMテーマ:日記・一般
「さよか」というのは、関西弁で「そうですか」という意味だ。それも、「へえ、そうなんですかぁ」といった同意を表す場合よりも、「ふん!じゃ、あとはどうぞご自由に」といった相手を突き放すときによく使われる。数日前、地下鉄の曙橋駅で降りてスタジオに向かおうとすると、改札の先を白い杖を持った初老の男性が歩いていた。それもかなり早足で。地上に出るまでには途中までエスカレーターがあってその先は再び長い階段があることは知っていたので、僕は心配になりその人のすぐ後ろから見守っていた。エスカレーターの左側にじっと立って乗るのが普通だが 、その人はよほど急いでいたのか、右側を歩きながら前の人たちを何人か追い越し始めた。「随分元気な爺さんだな」と僕はますます心配になり、その人を見失わないよう足を速めてついていった。エスカレーターが終わり上りの階段にさしかかったとき、その人はその前を歩いていた人にいきなり追突してしまった。前にいた人は何が起こったか分からずオロオロするばかり。白い杖の人は何とぶつかったのか分からずにさらに前に向かって進もうとしている。このままでは二人そろって階段から転げ落ちる危険性も出てきたので僕は思わず声をかけた。「何かお手伝いしましょうか?」そしたら次の瞬間、「しなくていいです!」。それも大きな声で。僕は一瞬ムカッときたが、すぐに気を取り直して「さよか」と心の中でつぶやいた。まぁ、ひとそれぞれに事情はあるだろうからいいけれど、「しなくていいです」と怒鳴る前に、「ありがとう、でも大丈夫だから」と言って欲しかった。本当に人とのつきあいはむずかしいものである。

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